今回は高配当ETFのSPYDについて紹介していきます!
- SPYDって何?
- SPYDの構成銘柄が気になる!
- SPYDのチャートはどうなの?
早速、いってみよ~!
SPYDとは?
「そもそもSPYDとは?」ということから説明していきます!
SPYDはS&P500の高配当銘柄に投資可能
S&P500®高配当指数の値動きに、経費控除前ベースで、概ね連動する投資成果を追求します。
コアとなる資産クラスに対して幅広い分散投資を可能にするポートフォリオ構築ツールであり、低コスト・コアSPDR®ポートフォリオETFシリーズの一つです。
高水準の配当収入および元本成長の機会を追求する低コストETFです。
指数は、S&P500®指数を構成する銘柄のうち、配当利回りの上位80銘柄のパフォーマンスを計測する指標です。
引用元:ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SPYD)

S&P500種指数に採用されている500銘柄のうち、高配当の80銘柄に絞って投資をしているんだね!



S&P500種指数に採用されている銘柄に投資しているのは安心だ!
S&P500種指数とは、世界を代表とする株式指数のことです。
500社が採用されており、採用条件には「時価総額」「業績」「財務安定性」などがあります。


SPYDは均等加重平均を採用
SPYDは均等加重平均を採用しています。
均等加重平均とは、投資銘柄全てを同じ割合で投資する手法です。



例えば、100銘柄に100万円を投資する場合、全ての銘柄に1万円を投資するイメージです。
VOO(S&P500 ETF)、VTI(全米株式 ETF)は均等加重平均ではなく、時価総額加重平均を採用しています。
時価総額加重平均とは、時価総額の大きさに応じて、投資比率を決める手法です。



例えば、100銘柄に100万円を投資する場合、時価総額が大きい銘柄には10万円を投資し、時価総額が小さい銘柄には1000円を投資するイメージです。
SPYDの基本情報(2021/06/22更新)
SPYDの基本情報を見ていきます。
項目 | SPYD |
---|---|
運用会社 | ステート・ストリート |
組入銘柄数 | 77 |
純資産総額 | 45億ドル |
配当利回り | 4.85% |
経費率 | 0.07% |
配当-経費(率) | 4.78% |
配当スケジュール | 年4回 |
SPYDの配当利回りは4.85%と非常に高いです。
VOO(S&P500ETF)の配当利回りが約1.3%のため、3倍以上の配当利回りとなっています。



100万円投資すると、税引き前に4.85%の配当金はすごい。



「S&P500種指数に採用されている高配当銘柄」で配当利回り4%後半は魅力的!
SPYDの組み入れ銘柄数は77銘柄です。
同じ高配当ETFのVYMとHDVと比較してみましょう。
VYMが416銘柄、HDVが74銘柄、SPYDが77銘柄のため、組み入れ銘柄数は多いETFではありません。



組み入れ銘柄数が少ないとどうなの?



1銘柄の値動きの影響を大きく受けるので、ハイリスク・ハイリターンになるよ!
構成銘柄(2021/06/22更新)
SPYDの構成銘柄を見ていきます。
構成銘柄と投資比率は2021年6月22日時点の情報です。



投資比率が多い順番に記載しています。
No. | ティッカー | 銘柄名 | 投資比率 |
---|---|---|---|
1 | IRM | Iron Mountain Inc. | 1.65% |
2 | STX | Seagate Technology Holdings PLC | 1.60% |
3 | REG | Regency Centers Corporation | 1.52% |
4 | COP | ConocoPhillips | 1.52% |
5 | PSA | Public Storage | 1.51% |
6 | FRT | Federal Realty Investment Trust | 1.49% |
7 | SPG | Simon Property Group Inc. | 1.48% |
8 | MPC | Marathon Petroleum Corporation | 1.45% |
9 | BXP | Boston Properties Inc. | 1.45% |
10 | IPG | Interpublic Group of Companies Inc. | 1.44% |
11 | VLO | Valero Energy Corporation | 1.44% |
12 | XOM | Exxon Mobil Corporation | 1.43% |
13 | EQR | Equity Residential | 1.42% |
14 | LUMN | Lumen Technologies Inc. | 1.41% |
15 | IVZ | Invesco Ltd. | 1.41% |
16 | AVB | AvalonBay Communities Inc. | 1.41% |
17 | WELL | Welltower Inc. | 1.40% |
18 | OMC | Omnicom Group Inc | 1.40% |
19 | OKE | ONEOK Inc. | 1.39% |
20 | PM | Philip Morris International Inc. | 1.39% |
21 | KHC | Kraft Heinz Company | 1.39% |
22 | VNO | Vornado Realty Trust | 1.38% |
23 | KIM | Kimco Realty Corporation | 1.38% |
24 | IBM | International Business Machines Corporation | 1.36% |
25 | WMB | Williams Companies Inc. | 1.36% |
26 | PBCT | People’s United Financial Inc. | 1.35% |
27 | FITB | Fifth Third Bancorp | 1.35% |
28 | USB | U.S. Bancorp | 1.35% |
29 | HPE | Hewlett Packard Enterprise Co. | 1.34% |
30 | FE | FirstEnergy Corp. | 1.34% |
31 | BEN | Franklin Resources Inc. | 1.34% |
32 | PRU | Prudential Financial Inc. | 1.33% |
33 | LNC | Lincoln National Corporation | 1.32% |
34 | HBI | Hanesbrands Inc. | 1.32% |
35 | AIG | American International Group Inc. | 1.32% |
36 | EVRG | Evergy Inc. | 1.31% |
37 | PSX | Phillips 66 | 1.31% |
38 | KMI | Kinder Morgan Inc Class P | 1.30% |
39 | CFG | Citizens Financial Group Inc. | 1.30% |
40 | VTR | Ventas Inc. | 1.30% |
41 | IP | International Paper Company | 1.29% |
42 | MET | MetLife Inc. | 1.29% |
43 | CVX | Chevron Corporation | 1.26% |
44 | PFG | Principal Financial Group Inc. | 1.26% |
45 | O | Realty Income Corporation | 1.26% |
46 | LEG | Leggett & Platt Incorporated | 1.25% |
47 | MO | Altria Group Inc | 1.25% |
48 | DUK | Duke Energy Corporation | 1.24% |
49 | ETR | Entergy Corporation | 1.24% |
50 | LYB | LyondellBasell Industries NV | 1.23% |
51 | KEY | KeyCorp | 1.23% |
52 | PEAK | Healthpeak Properties Inc. | 1.23% |
53 | CMA | Comerica Incorporated | 1.23% |
54 | RF | Regions Financial Corporation | 1.23% |
55 | ED | Consolidated Edison Inc. | 1.22% |
56 | DOW | Dow Inc. | 1.21% |
57 | WBA | Walgreens Boots Alliance Inc | 1.21% |
58 | UNM | Unum Group | 1.20% |
59 | PFE | Pfizer Inc. | 1.19% |
60 | WU | Western Union Company | 1.19% |
61 | PNW | Pinnacle West Capital Corporation | 1.18% |
62 | NWL | Newell Brands Inc | 1.18% |
63 | EXC | Exelon Corporation | 1.18% |
64 | D | Dominion Energy Inc | 1.16% |
65 | TFC | Truist Financial Corporation | 1.16% |
66 | AMCR | Amcor PLC | 1.15% |
67 | BKR | Baker Hughes Company Class A | 1.15% |
68 | SO | Southern Company | 1.15% |
69 | ABBV | AbbVie Inc. | 1.15% |
70 | MTB | M&T Bank Corporation | 1.12% |
71 | AVGO | Broadcom Inc. | 1.12% |
72 | GILD | Gilead Sciences Inc. | 1.12% |
73 | PPL | PPL Corporation | 1.12% |
74 | T | AT&T Inc. | 1.11% |
75 | VZ | Verizon Communications Inc. | 1.09% |
76 | HBAN | Huntington Bancshares Incorporated | 1.08% |
77 | EIX | Edison International | 1.05% |
78 | 964WKM90 | STATE STREET INSTITUTIONAL LIQ STATE STR | 0.17% |
79 | CASH_USD | U.S. Dollar | -0.11% |
※78番目、79番目は銘柄ではありません。
高配当の個別株としても有名なXOM(エクソンモービル:石油メジャーの最大手)、T(AT&T:米国電話会社の最大手)も組み入れされています。



XOMは配当利回り5.56%、Tは配当利回り7.19%!?控えめに言って最高。



その他にもワクチンで有名なファイザー、タバコ大手のフィリップモリス、ETFのQQQを運用しているインベスコが組み入れされているね!
SPYDの構成銘柄は1年に2回(1月と7月)、リバランスを実施しています。リバランスとは構成銘柄と投資割合を調整することを指します。
個別株で高配当投資を実践していると、銘柄ごとの投資比率が崩れてしまいます。その他には、減配/無配の結果、高配当銘柄ではなくなった銘柄も出てきてしまいます。
半期に一回、リバランスをしてくれるおかげで、高い配当利回りを維持することができます。



個人でリバランスを実施すると、大量の売買手数料が発生するよ(泣)



リバランスを実施してくれて経費率0.07%は安い!
■配当実績
SPYDの配当実績を確認していきます。


日程 | 配当金 | 増配率 |
---|---|---|
2021/6/18 | $0.399 | 109% |
2021/3/19 | $0.636 | 161% |
2020/12/18 | $0.607 | 122% |
2020/9/18 | $0.264 | 59% |
2020/6/19 | $0.366 | 79% |
2020/3/20 | $0.396 | 117% |
2019/12/20 | $0.497 | 112% |
2019/9/20 | $0.448 | 99% |
2019/6/21 | $0.462 | 123% |
2019/3/15 | $0.339 | 97% |
2018/12/21 | $0.443 | 111% |
2018/9/21 | $0.451 | 124% |
2018/6/15 | $0.376 | 110% |
2018/3/16 | $0.349 | 110% |
2017/12/15 | $0.399 | |
2017/9/15 | $0.363 | |
2017/6/16 | $0.343 | |
2017/3/17 | $0.318 |
2020年は1株あたり$1.632の分配金となっています。
SPYDの取得額を$40、2021年も1株あたり$1.632だとすると、配当利回りは4.08%となります。
2021年3月・6月の分配金は前年と比べて増配しています。
2019年の分配金$1.746まで増配したとすると、配当利回り4.37%となります。



配当利回りの目標値がある方は平均取得額にも注目してください。



SPYDの価格が上がりすぎたタイミングでは取得額を減らし、下落したタイミングでは取得額を増やす!
チャート分析(2021/06/22更新)
SPYDのチャートを見ていきます。
チャートは全て、米国版のYahooFinanceから引用しています。
SPYDのチャート(2021/06/22)


SPYDの設定来から2021年6月21日までのチャートです。
大きな下落はコロナショックの影響であり、39.5ドルから22.3ドルまで43.5%ほど、下落しました。
下落から約1年間で元値に戻ることができています。



SPYD単体でいうと下落耐性が低く、回復も遅い特徴がありました。



後に他ETFとチャート比較をしていきます!
チャート比較(SPYD/VYM/HDV/VTI)
比較対象としてVTI、VYM、HDVと比べていきます。
5年チャート(SPYD/VYM/HDV/VTI)


5年チャートのパフォーマンスでは、VTI>VYM>SPYD、HDVでした。
SPYDとVYMはコロナ前の価格に戻るまでに1年間の時間がかかっています。
SPYDはHDVよりも下落しているため、下落耐性は低いETFのようです。



大きく下落するETFだから狼狽売りをしないように注意したい!



前もって知っているだけで、ホールドしやすいね!
2年チャート(SPYD/VYM/HDV/VTI)


期間を2年間に変えても、パフォーマンスはVTI>VYM>SPYD、HDVでした。
他ETFが下落から回復している中、SPYDが回復していないのがよくわかります。
繰り返し言いますが、「下落幅が大きく、回復も時間がかかるETF」だと分かっていれば、狼狽売りも避けられます。


直近1年間のパフォーマンスでは、SPYD>VTI>VYM>HDVとなっています。
2020年11月以降、+40%と大きく上昇していますね。



直近1年間のパフォーマンスはスゴイ!



これはSPYDの特徴的なセクター比率によるものです!
SPYDのセクター比率は金融/エネルギー/不動産が多い
SPYDのセクター比率を見ていきます。


- 金融25.07%
- 不動産18.73%
- エネルギー13.85%
- 公益事業13.34%
金融、不動産、エネルギー、公益事業の4セクターで約70%を構成しています。
VTI(全米株式)では、この4セクターで23.2%だということを踏まえると、かなり特徴的なETFだということが分かります。
2021年は金融、エネルギーセクターが非常に強い状況です。
そのため、SPYDのパフォーマンスが強い結果となっています。



市場平均と大きく乖離したETFになっているので、投資比率と投資タイミングは気を付けたいね!



セクターが特徴的なので、個人的には手が出ないETFでもあります。
SPYDまとめ
SPYDは高配当ETFです。
S&P500の採用銘柄のうち、配当利回りが高い約80社に投資しています。
S&P500種指数に採用されているため、業績や財務安定性は一定の評価を満たしています。
S&P500の採用銘柄で構成されているとはいえ、セクター比率は市場平均と大きく異なります。
セクター比率の偏りによって、下落耐性が脆く、回復も遅いETFです。
2021年6月現在、過去最高値圏内に位置しています。
高配当目的で投資をする以上、取得額と分配金に注意しながら投資を行う必要があります。



企業は株価が上がっているから分配金を高めようとは思いません。



2021年は増配傾向が見られるため、40~42ドル付近では注意はありません。
あくまで個人的な意見ですが、SPYDはポートフォリオの中心を担うETFではありません。
市場平均と大きく異なるセクター比率であること、セクター比率の偏りが大きいことが理由です。
セクターのトレンドを読めない私には向いていないと認識しています。
評価額にとらわれず、配当金の金額を重要視している方にとっては貴重なETFだと思います。
私は年齢を重ねるごとに、配当金の重要性を高める予定なので、その時はSPYDにお世話になります。
ではでは~~!
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